Customer Story
DSW: OMO×AIによるパーソナライズで顧客ロイヤルティを向上
概要
北米を中心にシューズの専門店チェーンを展開するDSWでは、2,600万人のDSW VIPロイヤルティメンバーにリアルタイムかつパーソナライズ化された顧客体験を提供することにより、顧客ロイヤルティ向上と新たなメンバー獲得を実現しています。
クライアントの成果
- 2,600万人のロイヤルティメンバーとのエンゲージメントを強化
- 全取引の90%以上をロイヤルティプラットフォームがカバー
- 新規顧客率が9%増加
日常に感じるロイヤルティ
私はこのケーススタディに取り組み始めてから3足の靴を購入しましたが、もう次のことを考え始めています。
実際、今週末、サイズが合わなくなった古い靴を寄付するために、また地元のDSWを訪れることを楽しみにしています。これにより、さらに50VIPポイントと特典クレジットを獲得できます。滞在中、サンダルを履くこともあるかもしれません。そうすれば、より多くの特典を獲得するために次のロイヤルティレベルに上がるでしょう。
リアルタイム×適切なタイミング
DSWは北米を中心に500以上の店舗を展開していますが、DSWのロイヤルティ プラットフォーム「DSW VIP」が魅力的だと感じているのは私だけではありません。DSW VIPの立ち上げ以来、このブランドの新規顧客率は9%増加しています。また、DSWの全取引の90%以上がこのプラットフォームを経由しており、リピート顧客・顧客当たり支出の両方が大幅に増加しています。
それはもちろん、大胆なオファーや堅牢に設計されたアプリによるものでもありますが、本当に魅力的なのは、特典、オファー、アップグレード情報がほぼリアルタイムで届くことです。以前のバッチ処理ベースでのシステムでは、反映されるまでに丸一日以上かかることがありました。現在、店舗で購入する顧客は、通常なら帰宅して玄関に入る前に「5ドルの特典を獲得しました!!」というメールまたは通知を受け取ります。
この取り組みを支援しているのが、SlalomとGoogleです。
自己表現を刺激するプラットフォーム
DSWのリーダーは、より迅速なベネフィットの提供がより多くのブランドエンゲージメント、すなわちより多くの購入機会やツイート、インタラクションに繋がることを認識していました。ロイヤルティ プラットフォームを再構築するという意思決定は、顧客から直接受けたフィードバックに基づき行われています。DSWブランドを所有するデザイナーブランドのマーケティング アプリケーション マネージャー、Rich Clum氏は「お客様からは、もっと欲しい、もっと早く欲しいという声がありました。」と話します。
それはとても自然なことです。現代の消費者は、意見を聞いてもらい、参加することを期待しています。「コラボレーションは、新たな競争にも繋がるのです。」SlalomのBenjamin Mokotoffは言います。「DSWコミュニティの一員として認識されているため、人々はDSWに行きたがります。オンラインでは得られない機会があるのです。」
これには、パーソナライズされたエクスペリエンスも含まれます。DSWでは「自己表現を刺激する」という自らのミッションに沿って、特典やオファーを詳細に設計し、顧客を個人として惹きつけることで感情的なロイヤルティを構築したいと考えていました。「靴は、人々が毎日購入するものではないかもしれません。」とClum氏は言います。「しかし、複数のやり取りを継続的に行うことができれば、DSWのことが常に顧客の頭の中に残るのです。」
新しいプラットフォームを活用すると、Clum氏のチームは、顧客属性や製品、店舗、日付、ロイヤルティ層の任意の組み合わせに基づきオファーを構築できます。例えば、靴を試着するために来店したエリート メンバーにボーナスポイントを付与したり、DSWクレジット カードを使用して店舗で靴を購入したメンバーにポイント倍率を追加したりできます。
パフォーマンスとスケーラビリティ
このプロジェクトは、Google CloudとSlalomの支援とともに推進されました。「Slalomは、私たちのリクエストをそのまま展開する、ということはしませんでした。彼らは戦略的なフィードバックやベストプラクティスの推奨事項を提供してくれただけでなく、常に私たちを支持し、解決策に対してDSWがオーナーシップを持っていることを常に示してくれました。」とClum氏は語ります。
DSW、Google Cloud、およびSlalomは、Google Cloudの製品セットを最適に活用し、DSWの過去のデータとレガシープロセスの複雑さに対処するために協働しました。Slalomのプラクティスエリア ディレクターであるSteven Porterは、「Slalom、DSW、およびGoogle Cloudが一つのチームとして結集し、共通の目標に向かって働いていました。それは完璧に機能しました。」と述べています。
Google Kubernetes Engineで実行されるマイクロサービスベースのアーキテクチャを採用したDSWの新しいプラットフォームは、柔軟性がありスケーラビリティが高いものです。これは、DSWが最初にGoogle Cloudを選ぶきっかけとなった「BigQuery」に大いに依存しています。ポーターは「Googleはそれを『オペレーション不要のデータウェアハウス』と呼んでいます。非常に迅速に開始でき、大きな投資をせずとも多くの成果を上げることができます。」と述べています。
ブラックフライデーの直前に立ち上がったこのプラットフォームは、DSWの最大のセール日のいくつかを通して完璧に機能しました。
全てのチャレンジへの準備が完了
Cam HeightlandはDSWのチームに加わり、新しいロイヤルティ プラットフォームの構築を支援しました。彼は数か月間、SlalomのソリューションプリンシパルであるHamilton EvansとシニアエンジニアのChad Orwigと密接に協力し、ベストプラクティスを吸収し、Slalomのアジャイルな方法論を学びました。
Heightlandは「技術的な専門知識という点では、彼らはおそらく私のキャリアで一緒に仕事をした中で最高の開発者です。」と述べています。「クラウドでのアプリケーション開発、ベストプラクティス、日常の開発方法について、どれだけ多くのことを学んだか言い尽くせません。」
では、次に何があるのでしょうか?会社が直面するどんな課題にも対応できます。「私たちは、これまでよりもずっと速く顧客のニーズに対応できるようになりました。」とHeightland氏は言います。「どんなリクエストがあっても、解決策を見つけるためのツールを持っています。」
Slalomは現在、DSWとカナダの店舗向けにロイヤルティ プラットフォームを開発し、BigQueryで利用可能な膨大なデータから豊富な洞察を引き出すための追加のデータ機能を提供しています。「彼らは限界に挑戦し、他の誰にもできない方法で変革を実現したいと考えています。」とPorterは述べています。「彼らは変化し、進化し続けたいのです。」
"DSWでは今、ロイヤルティが生活の一部です。"とClum氏は言います。「私たちはロイヤルティ オファリングを常に更新し、顧客の変化するニーズに適したものに保つよう取り組んでいます。私たちのプラットフォームは、まさにそれを実現してくれています。」
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