株式会社マクニカ:
「サービス・ソリューションカンパニー」へのビジネス変革を先導するIT組織の再設計
事業拡大を支える経営基盤強化のため、デジタルを活用した働き方の再構築、高度なプロダクト開発、人材育成を通じて、ビジネス価値創造を牽引するIT組織への変革を推進しています。
今、AIやネットワーク、半導体といったデジタル技術の存在は、世界の経済や人々の生活を発展させるために不可欠なものとなりました。
マクニカは、1972 年の創業以来、世界の最先端テクノロジーを発掘する優れた判断力を駆使し、産業を支える製品やサービスに独自の付加価値を加え、国内外のものづくりを支援してきました。
また、半導体を起点としてネットワーク事業ではサイバーセキュリティビジネスで企業の情報システム部門を支援してきました。さらに、AI/IoT、自動運転、インダストリアルロボットなど急拡大する市場のニーズに対応するため、ネットワーク事業で培ってきたCyber空間と半導体事業のPhysical(実世界)の強みを活かし、新分野における高付加価値なCPSソリューション事業を拡大しています。
ひいては、最先端のデジタル技術と同社が持つインテリジェンスをつなぎ、社会的価値と経済的価値を両立させる「サービス・ソリューションカンパニー」として、未来社会の発展への貢献を目指しています。
デジタルの力がもたらす価値を通じて社会へ貢献するためには、業界や市場の動向に精通するだけではなく、顧客価値を定義し、最適なソリューションを迅速に提供するためにビジネスモデルを再設計し、常に自社の提供価値を高めることができる組織に変革し続けること(ビジネス・トランスフォーメーション)が求められます。マクニカも例外ではありません。同社の強みである技術専門性と実装力、グローバルのネットワークを強化するとともに、顧客が抱える経営課題に対応する包括的な支援を提供できることが重要になっています。また、新たな顧客層にサービス提供を広げるため、開発部門や製造部門だけでなく事業部門や経営陣にも対応することが求められています。
“私たちを取り巻く環境が急激に変化する中、飛躍的に進化するデジタル技術は競争力の源泉であり、IT組織の役割に大きな変化をもたらしています。これからはデジタル活用によってビジネス変革を牽引、実現することが求められており、自らの組織変革が急務となっています。”
マクニカホールディングス株式会社 執行役員 兼 株式会社マクニカ IT本部 本部長
安藤 啓吾 様
マクニカでは、中期経営計画における重点戦略として、IT組織の変革に向けた取り組みを始めています。以前は社員向け業務システムの開発や運用に従事していたIT組織ですが、今後はデジタル技術を活用して全社員の働き方を再構築すると共に、競争力に寄与するサービスやプラットフォームの提供を通じ同社の変革を先導することを目指しています。そのために、マクニカの事業部門やコーポレート部門の現場課題をアジャイル開発による内製化で解決すること、社内システムにおいてもユーザーセントリックなプロダクト開発を実践することが重要と位置付けています。また、顧客向けプロダクト開発を担う事業部門の人材育成にも貢献すること、および顧客向けプロダクトが稼働するプラットフォームの開発も事業部と共同で担うことをIT組織の目標としています。このように、中期経営計画で掲げた変革を推進するため、同社は企業のビジネス変革や組織・人材戦略策定、プロダクト開発の内製化支援で実績のあるSlalomに支援を依頼しました。両社は2030年に向けたIT組織の変革ビジョンを共同で策定し、その一環として現場社員の働き方を変革するプロダクト開発の内製化を開始しました。
Slalomはグローバルで培ったノウハウに基づき、組織が目指すビジョンの策定から、現状のアセスメント、ビジョンの実現に向けたロードマップの策定をサポートしました。また、ロードマップの一部として、組織ごとのミッションの再定義、求められる人材像やスキルの整理、社員自身による成長やリスキリングを動機づけるためのキャリアフレームワークなど、組織が有機的に成長していくためのオペレーティング・モデルのデザインを行いました。
組織変革の支援と並行し、Slalomはマクニカ向けに高度なプロダクト開発の伴走支援も提供しています。
- アジャイル開発:IT組織内に新設された内製開発チームに対し、アジャイルコーチとして、スクラムチームの立ち上げから実践、スクラムを通じた組織の強みや課題の振り返りの習慣化などを支援。マクニカの文化にあった独自のアジャイル憲章を作成できるレベルまでアジャイルの理解が深まりました。
- ユーザー中心設計:現場ユーザーとのワークショップを通じて、変化に柔軟に対応し、適切な課題を設定し、創造的な解決方法を見つけ、具体的に形作っていくためのノウハウを提供しました。
- 将来の人材育成:マクニカにおいて将来プロダクト開発を担うメンバーも参画することで、同社の社内システムや事業部のビジネス開発においてユーザー中心設計のプロダクト開発を実践していくための支援を提供しました。
第一弾のプロダクトはコンセプト策定を完了、現在開発を実施中で、2023年度中にパイロット版のリリースを計画しています。今後はソフトウェア開発におけるモダンなエンジニアリングなどの領域についても支援が予定されています。
また、マクニカの全従業員がデジタル技術を活用することは、同社の戦略の実行や国際競争力の強化に不可欠です。Slalomはグローバルにおける人材開発のノウハウや日本国内のガイドライン、変革プロジェクトを通じたインサイトをもとに、マクニカの全社的なリテラシー・プログラムの開発についても支援の検討が進められています。
マクニカについて
マクニカは、半導体、サイバーセキュリティをコアとして、最新のテクノロジーをトータルに取り扱う、サービス・ソリューションカンパニーです。世界23か国/地域81拠点で事業を展開、50年以上の歴史の中で培った技術力とグローバルネットワークを活かし、AIやIoT、自動運転など最先端技術の発掘・提案・実装を手掛けています。マクニカは、マクニカホールディングス株式会社 (東京証券取引所プライム市場)の100% 出資子会社です。
マクニカについて:www.macnica.co.jp
Slalomについて
Slalomは、「ビジネス×テクノロジー」で組織のビジネス・トランスフォーメーションをゴールまで支援するコンサルティングファームです。組織に変革をもたらすコンサルタント、ストラテジスト、エンジニア、データスペシャリストが、グローバルで培った豊富な「DX→BX」経験をもとに、組織のチャレンジをゴールまで強力にサポートしています。また、世界のトップテクノロジー企業と強力なパートナーシップを結んでサービスを提供しています。2001年にシアトルで設立され、8カ国・45の市場でビジネスを展開し、 Fortune誌の「働きがいのある会社ベスト100」に8年連続で選出されており「働きがいのある会社」として評価されています。詳細はwww.slalom.comをご覧ください。